【インタビュー】まるで小さなヨーロッパ…ロリィタ御用達の洋館レストラン “Jardin de LUSEINE” の成り立ちとは?

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原宿駅近く、竹下通りから一本入ったところにある「ブラームスの小径(こみち)」。

賑やかな竹下通りとは打って変わって静かなこの道は、ヨーロッパの路地の雰囲気を醸し出しています。

この道の途中、両側を挟んで建っているのが、洋館レストラン「Jardin de LUSEINE(ジャルダン・ド・ルセーヌ)」です。

最近では、ロリィタさんのお茶会の定番の場所のひとつとして認識されているお店ですね。KawaCuraでも過去にお茶会の場所としてお借りしています。

ところで、一体なぜ竹下通りとも表参道とも全く異なる空間が、こんなところに存在しているのでしょうか。また、どんな経緯で「ロリィタさん御用達」になっていったのでしょうか。

その疑問を解くべく、Jardin de LUSEINEのマネージャーである糟谷さんに、お話を伺って来ました。

原宿でヨーロッパ旅行の気分を味わえるように

――どんな経緯で、このレストランは始まったのですか?

ここは、40数年前に、一番はじめのオーナーの方が始めたと聞いています。

当時はお店の前の「ブラームスの小径」のところに川が流れていました。明治神宮御苑の「清正井戸の湧き水」の支流で、今も道の下を流れているはずです。

当時日本では、まだヨーロッパ旅行は盛んではなかったのですが、オーナーの方が「気軽にヨーロッパ旅行の気分を味わえるように」と考えて、この川をフランスのセーヌ川に見立て、その両脇に建てたと言われています。

ルセーヌ館マネージャーの糟谷さん

ルセーヌ館マネージャーの糟谷さん

――セーヌ川だから「ル・セーヌ」ということですね。

そうですね。セーヌ川のことをフランス語では「La Seine(ラ・セーヌ)」と呼ぶので、本当は「ラセーヌ」になるはずなんですが、オーナーが「ラセーヌ」は言いづらいと判断されて、「ルセーヌ」という造語を作ることになりました。

その時は1階のここの部分は、屋外テラスだったそうです。

フランス語でお庭のことを「Jardin(ジャルダン)」を呼ぶので、「ルセーヌの庭」ということで「ジャルダン・ド・ルセーヌ」名づけられました。

ルセーヌ2号館の1階見取り図。緑の部分が、当時屋外テラス(=ジャルダン)だったエリア。

ルセーヌ2号館の1階見取り図。緑の部分が、当時屋外テラス(=ジャルダン)だったエリア。

――当時から今のようなレストランだったのですか?

いえ、当時はまだこの一帯はレストランの営業許可が取れなかったようです。個室があって、お茶を飲んだりして休憩できるサロンとして使われていて、食べ物が必要な場合はケータリングが利用されていました。

その頃いらしていたお客様に彫刻家の方がいらっしゃって。外国の方なんですが、その方が「ここにはブラームスが似合う」とおっしゃって、ブラームスの銅像を2体、プレゼントして下さったそうです。

2号館の内外にあるブラームス像

サロンからレストランへ

――レストランになったのはいつ頃ですか?

20数年前にオーナーが変わったのですが、ちょうどその頃にこの一帯でレストランの営業許可が取れるようになったので、そこからレストランになったようです。

――それ以前は、ルセーヌだけでなく、周辺一帯で営業ができなかったのですね。

そうですね。原宿に美容室やアパレル、雑貨屋さんが多いのは、もともと飲食店ができないかったことも関係あると聞いています。

レストランを開業するにあたり、テラスの部分も屋内にして、スペースを大きくしたようです。当時は1号館がフレンチ、2号館がイタリアンのレストランでした。さらにもうひとつ3号館もあって、そちらはバーでした。

――ウェディングもその頃からされていたのですか?

はい。「ウェディングができるレストラン」というのを売りのひとつにしていました。

当時すでにレストランで結婚式をするという概念はあったのですが、レストランの側からそれを言うのは珍しかったのもあって、人気がすごかったみたいです。

現在のルセーヌ館のウェディング案内

現在のルセーヌ館(1号館)のウェディング案内

――アンティークの家具や食器はそれ以前からあったのですか?

もともとあったのですが、レストランになる際に増やしました。

担当者が日本中を回って、直接目で見て確かめて、買い付けていったそうです。全部揃うまでに2〜3か月かかったと聞いています。

2号館2階のアンティーク蓄音機

2号館2階のアンティーク蓄音機

ロリィタさん、歓迎!

――いつ頃からロリィタのお客さんが多く来られるようになったのですか?

ロリィタさん歓迎の方針になったのは、今年からですね。

ロリィタのお客さまは昔から時々来られていたんですが、建物の雰囲気も合いますし、せっかくだからこちらから歓迎しようということになりました。

当初は、派手な外見のロリィタさんがいることによって他のお客さんが入りづらくならないか、といった反対意見も出たのですが、今はもう時代が変わって、原宿の文化が世界的にも認知されているんだから、問題ないはずだ、という判断になりました。

それで、昨年の夏から前を通りかかった方々にお声をお掛けし始めたのですが、その中で仲良くなったお客さんの助言もあって、今年の1月からロリィタさん向けの割引チケットをご提供するようになりました。

そのタイミングで取材がいくつか入って、ロリィタのお客さまが増えていきました。

――今年発売された『ロリィタの聖地巡礼手帖 in 東京』にも掲載されていますよね。

そうですね。あの本を見て、来て下さった方も多いですね。

本の中で、当館で撮られた宝野アリカさんの写真があるんですが、同じ場所で、同じポーズで写真を撮って行かれる方もいらっしゃいます。

――お茶会もよく開催されいているようですね。

そうですね。定期的にうちで開催してくださるグループもありますし、多い時は2週間で4組のお茶会があったりもします。

――ロリィタさん対象の割引があるんですよね。

ロリィタファッションを着て来店して下さった方には、10%引でご提供しています。館内で撮影したお写真をSNSなどにアップロードしていただければさらに10%引、全部で20%の割引とさせていただいています。

ぜひ、お誘い合わせの上、お気軽にお越しください。お待ちしております。

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編集後記

Rokiです。ルセーヌ館の沿革、いかがでしたでしょうか。

実は当初、ロリィタさん関連のお話がちょっと聞ければいいかなー、という気軽な感じで取材に臨んだのですが、図らずもブラームスの小径や原宿の街の成り立ちにまで話が及び、知的好奇心がかなり満たされました(笑)。

また、上記の取材では言及していませんが、ルセーヌ館はお店の雰囲気だけでなく、食事やお茶も抜群です。お値段もリーズナブル。個人的にははロッシーニのハンバーガーがオススメです。

原宿にお越しの際は、ぜひJardin de Luseineに足を運んでみてください。きっと、気に入られると思います。

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