3.「有名になるために!」就職で学び取ってきたものは? Coco&Ami|植月沙由理さん

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過去の記事

1.仕掛けと物語が隠れた帽子の世界へようこそ!

2. 「翌日が楽しみになる種まき」工夫を重ねて自力で乗り越える

 

トンカチの音に導かれ…「帽子」の世界へ

――今は帽子のブランドをされていますが、もともとは服飾全般にご興味があったんですね。

 

「そうなんです。元々服作りが好きだったんですよね。服で着飾ってきたのではじめは帽子には興味なかったんですよ。とにかく服をたくさん作っていて、高校の時にはファッションショーとライブを一緒にしたようなイベントをジャズバーで主催したりしました。」

 

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(学生時代のデザイン画)

 

――へぇぇ!どんなファッションショーだったんですか?

 

「万華鏡のように服が変わっていくっていうコンセプトです。白いワンピースで、バラがついていたんですけれど、それを引っ張ると一瞬で赤い丸が現れるような仕掛けをしてました。」

 

――おぉ!それは素敵です! では、高校のときはお洋服づくりに夢中だったんですね。

 

「はい、お洋服の方に進みたくて文化服装学院の基礎科に行ったんです。でも、行ってみるとちょっと違ったんですよね。服を作っていても何か仕掛けを入れたくなっちゃって。」

 

――やはり、「仕掛け」が気になっちゃう。

 

「『見ただけじゃ終わらない』という感じですね。ちょっと遊べる要素を取り入れたくなります。」

 

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飴りCANDYのパーツたち

(飴りCANDYのパーツたち)

 

――それがお洋服の基礎科ではできなかったんですか?

 

「例えば、お洋服でいうと表がカワイイけど、裏がすっごい華やかな裏地が入っていたりとか。それも一つの仕掛けなので出来ないことはないですが、服では表現しにくいと思ったんです。そういうことは立体の方が向いているんだろうなっていうことに気づきました。」

 

――立体の方が向いていると。

 

「自分としても立体物の方が得意で上手にものが作れたし、小さい頃にトンカチを使ったりしていろんなものを作ってきた記憶が手に残っているので、作るものの要素が布というよりは立体になってしまったんだと思います。それで帽子の科に移ることにしました。」

 

――服はちょっと違うなと気付いたとき、すぐに帽子という意識が向いたんですか?

 

「いえ、偶然でした。たまたま専門学校の帽子のクラスの横を通り掛かった時に、とても楽しそうだったんです。聞こえる音もトンカチの音や、重たいミシンの音。すっごい胸がときめいて、『これは!』と思って帽子に決めました。」

 

――おもしろい!トンカチの音に惹かれたんですね。

 

「はい。(笑)私は自分の特技が生かせて、ファッションという世界にいられればなんでも良かったのかなって思います。もしかしたらバッグでも同じように「」って付けて、今ここにいたんじゃないかという気はしますね。」

 

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(一つ一つ手作りのパーツ。棚の中にはカップやソーサが入っている)

 

帽子作りが繋いだ作家への道しるべ

――文化服装学院を出た後はどうされたんですか?

 

「卒業してからまずは会社員をやりました。私自身が社会人のマナーも知らないで独立はできないなと、初めから思っていたんです。」

 

――どんな会社に就職を?

 

「小型犬のアパレル会社でした。どうせ行くなら楽しい方が良いと思った時に目に入ってきたのが小型犬のアパレル会社のパタンナーの募集だったんです。帽子について3年間で学んできたこと以外のものが学べたら枝葉が広がるかなと思いました。本当は大手の帽子の会社も受かっていたんですけどね。」

 

――あえて小型犬のアパレル会社を選んだんですね。

 

「そうです。その会社ではいろんな事を教えて頂いた、というより、私がなめるように全部学びました。顧客管理から販売に出たりもしました。独立するという意識があったのでどんな経験も自分のスキルにしようという想いがあったんです。」

 

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――それは強い意志がないとなかなか出来るものではないですね。良い経験になりましたか?

 

「はい!とても忙しかったけど小さい会社だったのが良くて、いろんな事をやらせてもらえました。そこで会社の運営や経営などを学べたのでとても良かったです。そんな時に文化服装学院の先生から連絡があったんですよ。『帽子のアトリエから募集が来てるんだけど、あなたどう?』って。」

 

――卒業した学校の先生から連絡が来たんですね。

 

「今思えば会社を辞めようかなっていう話を先生にしていたのかもしれません。元々いつかは独立するつもりでいたので、自分のためになるだろうと思ってそんなに迷わず帽子のアトリエに移ることを決めました。」

 

二足のわらじで作家活動!Coco&Amiの誕生の時

――帽子のアトリエに転職し、再び創作の世界に入ったという感じですか?

 

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「実は会社員の頃も家に帰ってからや休日は全部の時間を縫物に充てていたんです。その頃から、Coco&Amiのマークがついている作家活動をしていました。なので、転職で帽子のアトリエで働く前から創作活動はしていたんです。」

 

――そうだったんですね。その頃の作家活動では帽子を作っていたんですか?

 

「帽子だけじゃなくて雑貨も作っていましたね。とにかく沢山の作品を縫っていました。アトリエに移ってからも家に帰っては縫物をしていました。帽子の技術をどうやって学んだかというのは学校とアトリエのおかげも大きいんですが、学校で学ぶ以上に、自分で考えながら数を縫ったというのが一番大きかったと思います。」

 

――とってもストイックですね。だからこそ、その経験が今のブランドに生かされているんですね。ちなみに、作家活動はどのようにスタートされたんですか?

 

「まず、ホームページを作ってそこからオーダーを受けていました。すべてオーダーメイドでした。フルオーダーとセミオーダーです。」

 

――オーダーメイドのスタイルは、今とは違いますね。何故オーダーを?

 

「お洋服やカーテンとか、思い入れがあるものを小さくして使い切るっていう風習が外国などでありますよね。私もその頃、大事なお洋服を絶対捨てないで、どんどん小さく作り変えて最後まで使うということがすごく好きだったので、『お持ちのお洋服を帽子に変えませんか』というコンセプトで始めました。」

 

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(お洋服をリメイクして帽子に)

 

――反応はいかがでした?

 

「思いつく限りの宣伝をしながらやっていたら、少しずつポツリポツリとオーダーがくるようなりました。」

 

――そのコンセプト、面白いですね。今はやってないんですか?

 

「今はしていません。なぜなら私がオーダーメイドに向いてなかった。私、思いを馳せすぎるんですよね。あと、自分はオーダーメイドよりも自分の好きな物を作る方が向いているということにも気づきました。」

 

――自分のスタイルが分かってきたんですね。

 

「はい。思いっきり自分の内に溜めていたエネルギーで自分の好きな物として出して、『あぁ、それカワイイね』って言ってくれる人を集める方が自分に向いていて、より仕事につながっていくのではと思ってからはオリジナルしか作っていないです。」

 

――いつごろから「独立」は頭の中にあったんですか?

 

「高校生ぐらいからでしょうか。はっきり独立するぞって言葉にして決めたというよりは、頭の中でずっと自分の名前で有名になりたい、いえ、なりたいというより『なろう』と思ってました。」

 

――高校生から!!ちなみに、ファッションの分野で有名になろうとお考えに?

 

「ファッション分野にこだわらず、何かで有名になろうと思ってました。中学校の頃の先生に、『私、人名事典に載るから見てて』って言って卒業してきたんです。」

 

――おぉ!中学校の頃から有名になるという想いがあったんですね。

 

「 はい!昔から。自分の名前で有名になりたいと感じていました。」

 

――今ではCoco&Amiが褒められたいということでもあるのでしょうか。

 

「そうですね。今はもう私の名前は表に出なくてよくて、Coco&Amiが認められていけばと思っています。私自身というよりも、私が動かしている船が認められれば良いのかなって思ってます。」

 

――考えが変わってきたんですね。

 

「一人で立ち上げた頃とは違って、今はCoco&Amiはみんなの船になっています。皆が生き生きして、一体となって作品を作る。それで出来上がった作品が褒められていく方が嬉しくなりました。」

 

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(全国から届くパーツを丁寧に縫い付けていく)

 

――大きな変化ですね。

 

「そうなんです。自分が目立ちたい、と無意識に思う時期もありましたが、Coco&Amiに関わる皆が輝いてくれる方が嬉しいので、一人で仕事を抱え込むよりも、今は時間をかけても皆さんに適した仕事の振り方をしていく方が良いことだと思っています。」

 

(次回に続く…)

 

目次

1.仕掛けと物語が隠れた帽子の世界へようこそ!

2. 「翌日が楽しみになる種まき」工夫を重ねて自力で乗り越える

 

Coco&Amiの詳細はこちらから♪

ブログ:http://homepage3.nifty.com/coco-ami/

Twitter:https://twitter.com/cocoxami

 

Coco&Ami 2016春夏の新作♪

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Coco&Amiさんの新作が発表されています!皆さま、被りに遊びに行ってみましょう♪ きっと素敵な帽子の世界に引き込まれるはず。

 

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