5.どこまでがファッション?「それはね…」 Coco&Ami|植月沙由理さん

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過去の記事

1. 仕掛けと物語が隠れた帽子の世界へようこそ!

2.「翌日が楽しみになる種まき」工夫を重ねて自力で乗り越える

3.「有名になるために!」就職で学び取ってきたものは?

4. デザインという「自由な世界」で生きていく方法

 

「アートとファッション」を分けるもの

――植月さんにとって、アートとデザインの違いってどういう感覚ですか?

 

「それ、お話しようと思ってたんですよ!」

 

――是非お願いします!

 

「Coco&Amiの説明をする時にも、『アートになりすぎない絶妙なラインで』っていう言葉が入っているんです。人によってはアートすぎると言われることもありますが、ブランドとしてはアートになりすぎないファッションのカテゴリーであるっていうところにすごく気を付けています。」

 

――興味があります!ちなみに、これはアートですか?

足跡バッグ

(足跡モチーフの作品)

 

「この作品もファッションですね。これはイベントに非売品で出していたんですけど、すごく気に入ってくださったお客様がいらっしゃって、『商品化して売って欲しい。例えば、靴底買ってきて貼って出せばどうか』っておっしゃったんです。」

 

――どうされたんですか?

 

「それはファッションとは違うと思ったんです。確かに見た目は似ているかもしれませんが、私が作った足跡モチーフの作品の素材は、身にまとえるもので出来ているんです。」

 

――身にまとえるものですか。

 

「はい。ファッションは人が身にまとう素材を使って、その決められたルールの枠の中でギリギリまで遊ぶことだと思うんです。」

 

――ファッションとして素材の統一感が重要なんですね。

 

「はい。帽子は帽子だけでは成り立たず、身に着ける一つのアイテムなので、お洋服と一緒に共鳴しあうことが重要かと思っています。その為には服飾の素材を使うこと。それで共鳴することが出来ると思います。」

 

――そうすると、アートとファッションのライン引きってどこにあるんでしょう?

 

 「一言では難しいですがやはり私の感覚では、ファッションは服飾の素材でなるべく遊ぶことだと考えています。」

 

蝶々を手作業でカット

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――例えば石膏とかになっちゃうとダメでしょうか。

 

「ダメですね。シリコンもダメだと思います。もちろんシリコンでもかぶれますけど、人に似合っているかどうかっていうと、少し違和感が私にはあるように見えるんです。」

 

――話を伺っているとCoco&Amiさんの帽子は、一般の方が着て自然かどうかを意識されているのかと思いましたが、どうでしょう。

 

「そうだと思います。Coco&Amiのブランドは舞台衣装とは異なるので、一般のお客様の生活を意識しています。もしショーとかで仕事をすることになったらきっと新しいCoco&Amiを見れると思います。(笑)チャンネルを切り替えてアートにも触れるようなところで作っていくことになると思うので。」

 

――アートの作品とは例えばどういう要素になるんでしょうか?

 

「そうですね、アートって、ハードに動いて壊れてもいいものだったりする。その場限りで良かったりする、という側面があると思います。」

 

――でも、Coco&Amiのブランドはそうでは無いんですね。

 

「はい。このブランドのお客様はあくまで一般の女の子達ですので、生活の中で使えないと困っちゃいます。」

 

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(数字を縫ったらだメジャ~)

 

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(チョ~羽ばたきたガ~ル)

 

―― 一回で壊れてしまうと泣いちゃいますね。

 

「はい。(笑)私は以前、特殊な帽子のアトリエで働いていたので、当時はどちらかというとアートに寄った造形物に近いものを作っていたんです。それでもファッションの帽子だったなって思うのが、その時のお師匠もアートになりすぎちゃいけないっていうのをよく仰ってたんですよ。あくまでファッションで使われる素材にこだわって挑戦をされる方でした。」

 

――ショーの場合はアートに寄っても良いのかなっていうふうに思うのですがどうでしょうか。

 

「お師匠がアートに寄せないであくまでもファッションっていう中でやっていたのは、本人の好みだったのかもしれません。ただ、私も直感的にそっちの方が良いなと思っていましたし、好きでした。」

 

――その辺りは好みなんですね。

 

「そうですね。今でもお師匠の作品をみるとやっぱり光って見えます。アートによった造形物ですがちゃんと服になっている。すっごい盛っているんだけど、服であるっていう印象なんですよね。人間に馴染むっていうんでしょうか。」

 

――人間に馴染む、という感覚。

 

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「はい。一般の方も真似ができる、真似したいというのが『ファッション』。私はちょっと無理だよ、真似できないよ、いうところになるのが『アート』、という感覚でしょうか。

 

『ちょっとやってみたいな、明日ピンクの服探しに行ってみようかな』と思えるものは、ファッションなんだと思います。」

 

――なるほど、興味深いです。最後になりますが、ファッションの中の帽子の位置づけはどうお考えですか?

 

「帽子はあくまで服を良く見せるためのお手伝いかな。でも難しい話題ですよね。私、割と意見変えていく方なので、3年後お話したら全然違うことを言ってると思います。(笑)」

 

――では、また3年後にお話をお伺いさせてください!どんなふうにお考えが変わっているのかとても興味があります。

 

「はい、是非。(笑)」

 

――本日は、ブランドの話、植月さんのお話し、アートとファッションの違いなど、貴重なお話を聞けてとても楽しかったです。長い時間有難うございました!

 

鬆ュ縺ォ0莉倥′菫ョ豁」貂医∩逕サ蜒十047

 

目次

1.仕掛けと物語が隠れた帽子の世界へようこそ!

2. 「翌日が楽しみになる種まき」工夫を重ねて自力で乗り越える

3.「有名になるために!」就職で学び取ってきたものは?

4.デザインという「自由な世界」で生きていく方法

 

 2016春夏の新作♪

FotorCreated1

Coco&Amiさんの新作が発表されています!皆さま、被りに遊びに行ってみましょう♪ きっと素敵な帽子の世界に引き込まれるはず。

 

 

Coco&Amiの詳細はこちらから♪

ブログ:http://homepage3.nifty.com/coco-ami/

Twitter:https://twitter.com/cocoxami

 

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