「長く可愛がってもらえるものを作りたい」いたずらっこ松岡さんの本音 4.シュシュさと|松岡里美さん

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過去の記事

1.「100年後も愛される作品を作るために」ニット作品に込めた想い

2.「きっかけは親への反発、着たいものは"作っちゃえ!"」 

3.「作りたい!がお仕事に」好きなことを続けていたらテレビ出演

 

モノ作りの楽しさはどこから生まれる…?

 

―― 松岡さんの現在の活動を教えていただけますか?

 

「今は、「こねこのワルツ」さんでの委託販売と、オーダーのご依頼、あとは、「マリーアントワネットの娘達」という新ロリータブランドとのコラボです。ネットショップの方は、手が回らなくなってきたので卒業しました。」

 

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(ハンドメイドショップ「こねこのワルツ」)

 

―― これまた複数の活動をされていますね。まず、オーダーの受注のお仕事からお伺いさせてください。どんなオーダー作品を受けていらっしゃるんですか?

 

「動物の作品のオーダーを多くいただいています。」

 

―― 動物の作品…。どんなご依頼なのでしょう?

 

「例えば、ペットの写真を送って下さって、「この子で、こういうものを作って」という感じです。例えば、ペンケースや、ドール、バッグなど。そこから、名前や性格などを教えていただいて、どんな作品にしようかイメージを膨らませます。」

 

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(「A4サイズが入るバッグ」というオーダーを受けて:冬景色の中の猫ちゃん)

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(先ほどのバックは両面になっている:春先の猫ちゃん)

 

―― イメージを膨らませて、作品を作っていくんですね。

 

「はい。本能のままに作っているので、自分のイメージが浮かんだら、その子をどうしても作り上げたいと思ってしまいます。それと、自分のアイデアも合わせて提案してみます。「こんなのどう?」って。」

 

―― 自分のアイデアってどんどん湧いてくるのですか?

 

「止まらないんですよ… 作りたいものがいっぱいあって、追い付かない状態です。」

 

―― イメージやアイデアを出した後は、生地を集めて?

 

「はい、イメージに合いそうな素材を集めていきます。生地や糸ですね。色も集めてきて、どれが自分のイメージに合うかなぁというのを選びます。ちょっとでも違うと、イメージに合うものを買いに走ります。問屋さん巡り。」

 

―― 三重で、ですか?

 

「生地はだいたい名古屋です。アンティークの着物の生地は京都。糸は京都と岐阜、山形と新潟など様々ですね。」

 

―― 全国行脚してますね(笑)

 

「さすがに、山形と新潟はネットや電話で希望を伝えてサンプルを送ってもらいます。」

 

―― 人気の作家さんからよく伺うのは、ご自身が作りたいものとお客様からのオーダーがたくさん詰まっていて、それを一つ一つ大切に作りこみ、時間をかけるので、期待に応えたい気持ちと時間的な制約のバランスって難しいということです。そのあたりどのように感じられていますか?

 

「そうですね、待っていただくしか…。今のお客様は私のスタイルを分かって下さっているので、有難いです。」

 

―― ちなみに、普段、オーダーしたらどれくらいで手元に届くんですか?

 

「今は2か月ぐらいです。」

 

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(左:ぬいぐるみ 右:ペットボトルホルダー)

 

―― 継続してオーダーを下さるお客さんが多いのですか?

 

「はい、リピーターさんが多いです。」

 

―― それだけ手間をかけると、なかなか採算をとることは難しい事もあったり、なかったり…

 

「本能のまま作るので、損していることはあると思います。でも、「あぁ、損しちゃった」というふうに思うんじゃなくて、「まぁ、いいか。次、行こう。」って思う性格だからいいんじゃないかと思います。」

 

―― 損することもあるんですね。

 

「洋服にしたら何十万になるっていうような、ハイブランドが使う素材を使っていたりするんで、そういう事もありますね。だけど、どうしてもこれを使いたいと思うと、関係なくなってしまうんです。「この子を作りたい!」と思ったら、利益よりもこの子を作ることが大切なんですよね。」

 

―― 自分のイメージに近づけたいと。

 

「あとは、これを頼んでくださった方が喜んでくれるようにと思って作っています。とにかく喜ばせたいっていうか、笑わせたいだけで、こうしたら喜ぶぞ!とか、こうしたら驚くぞ! とかそればっかり考えて。」

 

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(ネコのバッグ オーダー作品)

 

―― 今、いたずらっこの顔になりましたね(笑)

 

「もう、それが楽しくって。それで、喜んでくれたら「よっしゃー」ですね。そして、旦那さんに「あなたの時給はいくらだったの?」って毎回聞かれるんです(笑)」

 

―― (笑)

 

「だけど、作家は時給では考えられない。そんなこと考えていたら作れないよって。」

 

新たな挑戦!ロリータブランドとのコラボレーション

 

―― ロリータブランドとのコラボのお話も聞かせてください。私が松岡さんに初めてお会いしたのは、と言っても今日で2回目ですけど(笑)、「マリーアントワネットの娘達」というロリータブランドのお披露目お茶会でした。2015年の10月でしたね。

 

「はい。このブランドを手掛けているデザイナーの袴着さんに、共通の友人を通じて知り合い、連絡を取るようになりました。そして、「自分が立ち上げる新しいブランドのお洋服に見合わせたバッグを作ってください」というご依頼があり、コラボという形で4点バッグを作ったんです。」

 

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(「マリーアントワネットの娘達」とのコラボ作品)

 

―― あのバッグ、松岡さんの作品の可愛さと「マリーアントワネットの娘達」の世界が絶妙に合わさっていて、華やかで目を惹かれました。作成の期間はどれぐらいありました?

 

「お洋服が出来上がってきたのが6月の終わりだったので、7~9月の3か月で作ったの。」

 

―― 3か月ですか!それで4体はかなり…

 

「がんばりました。お洋服を見てからインスピレーションを湧かせて。1日10時間ぐらい制作に費やして、1体3週間ぐらいの時間がかかりました。」

 

―― それは腰が痛くなりますね…

 

「痛いですね…。疲れもします。」

 

―― モノづくりをしない人からすると、そのエネルギーって不思議です。どこから出ているのかなぁと。途中で飽きるとか、熱が冷めてしまう事はあるんですか?

 

「めったに無いんです。だけど、すっごい疲れてきた時は、1回1日休もうと思って。」

 

―― でも、1日ぐらい?

 

「そうなんです、作りたくなってくるんです。すぐに。休んでるとウズウズしてきていやいや、今日は寝た方が良いからって自分に言い聞かせているんですけど。」

 

―― お休みされるのは1年で数日とかですか?

 

「そうですね。もうこの2年間の間に何日休んだのだろうって。」

 

―― 2年間で数日…。いつからそのスタイルですか?

 

「教室の時は全く違っていました。生徒さんが「こういうの作りたい」っていう希望があれば、最初に見本作ってあげたりとか、材料を集めたりとかはしていたんですけど、こんなにずーっとやらなくちゃいけないっていうのはなくて。もちろん自分で作りたいものを作れた時間もあったんですけど、今とは全然違いますね。」

 

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―― ネットショップを始めてからですかね、今の怒涛の日々は。

 

「はい。もう、ショップを始めてからすごい慌ただしいの。全然変わりました、生活が。」

 

―― そうなんですね。かなり忙しいけれども…。心地良い?

 

「うん。楽しい。多分自分が作りたかったものを作っているから楽しい。ネットショップの間は、まだ金額や何を作るかも手探りの状態でした。思いっきり自分の趣味だけでやってもいけないかなぁっていうのがわかるようになってきたのは、ここ1年かな。最初は大変なだけだったんですけど、ようやく自分のカラーが出てきて、それを分かってもらえるようになりました。」

 

―― 自分の好きなように作れるようになったっていう事ですね。

 

「そうですね。なので、この1年はすごく楽しくなってきましたね。」

 

終わりに…

 

―― 25年ほどの編み物教室を経て、現在様々な活動をされている松岡さんですが、「シュシュ さと」として、今後どんな風に活動していかれる予定ですか?

 

「とにかく、可愛がってもらえるもの。ながーく可愛がってもらえるものを作りたいと思います。そして、絶対、嘘を付かない。材料をごまかしたりとか、分からないところをごまかしたりとか、それだけは絶対にしないで、誠実に作品をつくる。ずーっと可愛がってもらえるものだけを作っていきたいなって。そう思います。」

 

―― 本日は長い時間有難うございました。

 

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松岡さんが手がけるブランド、「」では、新しい作品も生み出されています!これからどんな作品が発表されるのか、ドキドキしながら待っていましょう♪

 

シュシュ さと:

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もくじ

1.「100年後も愛される作品を作るために」ニット作品に込めた想い

2.「きっかけは親への反発、着たいものは"作っちゃえ!"」 

3.「作りたい!がお仕事に」好きなことを続けていたらテレビ出演

4.「長く可愛がってもらえるものを作りたい」いたずらっこ松岡さんの本音

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